小5ベイ兄。
乳幼児期は教科書通りの成長具合だった。
出生体重、体の成長、言葉の発達、思考力、理解力など、年齢相応の対応はしてきたものの、手を焼くということが少なかった。
イヤイヤ期らしきものはあったが、1週間ほどで落ち着いたと記憶している。
いわゆる「育てやすい子」だ。
5歳竜君。
大きく産まれ、ゆーっくり成長。
特に心の成長がゆっくりだ。
上の子がいると喋るのが早くなるよ、なんてよく聞くフレーズだが、竜君はなかなか言葉が出てこなかった。
まんま、ママすら出ない。
意味のある言葉は全く出ず、本当に喃語だけ。
ただ、こっちの言う事は完全に理解していた。
「TVのリモコン取って」
→ちゃんとリモコンを持ってくる。
「ソファの背もたれは元に戻してね」
(クッションみたいな背もたれを床に落として遊ぶのが好きだった)
→ちゃんと元の位置に戻す
言葉の成長に関しては、半分心配、半分楽観視の日々が続き、そうしてる間に竜君は2歳半を過ぎていた。
ベイ兄も、
「竜君、いつしゃべるのかなー(ワクワク)」
「早くしゃべってほしいなー(ワクワク)」
と、とても楽しみに待っていた。
とある日の朝、布団の中で子供達に絵本の読み聞かせをしていた。
何の絵本だったか忘れてしまったが、カラフルな風船がたくさん描いてある場面が出てきて、
「これは青の風船だねー」
なんて何気なく話したら、竜君が、
「あお」
って言ったんだ。
え!?
今、「あお」って言った!?
言ったよね!!
ベイ兄と顔を見合わせて驚き、喜んだ。
「すごい!そうだよ!あおだよ!」
「竜君、しゃべったねー!あおって言ったね!」
ひとしきり喜んで、はしゃいで、拍手しまくった。
もう一回言えるかな?どうかな?
「竜君、この色は あお だよ。」
「あお」
おおーーー!!
あおマスターしとる!!
あの感激は今でも鮮明に覚えている。
忘れられない子育てエピソードの一つだ。
しかし、兄弟でこんなに違うとは…
これから色んな違いをまざまざと見せつけられる事になる。(遠い目